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2024.01.07

【社長ブログ】 方舟


方舟

本年1回目のブログは年末に読んだミステリー小説のご紹介です。

仕事や人生において、イメージ力は成功へ向かう重要な要素の一つだと考えています。そして、人間は日々の生活の中でイメージを習慣化していないと、極端にその能力を失っていくと思います。単純な作業や平凡なルーティンの繰り返しでは思考能力を奪われていく恐れがあると感じ、時には非現実的な世界の中でイメージを繰り返すことがとても大切ではないでしょうか。

ミステリー小説は非現実的な世界を頭の中で創り出す手短な装置です。今回はイメージを大きく掻きたてるであろうミステリー小説をご紹介して、皆様にも非現実の世界を楽しんでいただこうと思います。

 夕木晴央さんの「方舟」(講談社)は、方舟と命名された非現実的な舞台の中で究極の選択に迫られる仕掛けを創り出し、男女10人の葛藤と徐々明らかになる人間模様を謎解きに挑む主人公目線から描かれています。

私が最もイメージを搔き立てられたのは、全ての謎解きと物語が終わった後に、全ての登場人物一人ひとりがどの様な想いと行動を取ったのか?・・・という1点です。(詳細は描かれていませんが、最後に大きな仕掛けが!・・・頭の中に鮮明なイメージは広がっていきます。)良質な小説は、読み終えた時に残る余韻が長く続きます。「方舟」はその余韻が他の比ではありません。

これまで夕木さんの小説を2冊読んでいましたが、「方舟」は今までとは全く違った世界観と匂いを感じさせる作品でした。夕木作品の出会いは、いわゆる「ジャケ買い」でしたが、私のイメージを向上させる素晴らしい出会いに感謝しています。

 経営者は事業戦略や組織構築を進める上において、様々な戦略や仕掛けを思案します。そこでは現実可能なイメージのみを優先に組立てますので、非現実的なイメージを想像するままに許されるのはなかなか楽しいものです。

皆様も許される限りの想像のなかで楽しいひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか?